Web上でPDFファイルを扱う場合・・・

PDF出力がずいぶん容易になりましたが、一方で本来の用途にそぐわない使い方をしているケースが時々見受けられます。

PDFは本来、プリントアウトやレヴューをするコンテンツに向くフォーマットであり、htmlに代わるフォーマットではありません。

PDFを選択する理由のひとつに、PDFは拡大表示に耐えるという点があります。しかし、現在のブラウザはhtmlの文字・画像も拡大表示できますので、よほどのことが無い限り拡大表示のためだけにPDFとする必要は無いでしょう。
むしろ、PDFではhtmlより非常に動作が重くなりますので出来るだけhtmlにするべきです。

リンク表記にあっては、そのリンク先がPDFファイルである旨を明示することも大事です。
PDFのアイコンを使うか、テキストで表示する必要があります。また、ファイルサイズが大きい場合は、ファイルサイズもリンク箇所に併記するのが好ましい表記方法です。

ワープロで制作したり、印刷物を先に制作した場合、PDF保存してサイトにアップすれば公開できる手軽さとコストダウンからPDFになっていると思われるケースも見受けれます。
html保存だと、そのままサイトに公開し難い構造になってしまいますので。
企業のIR情報や時刻表などはPDFに向いていると言えるでしょう。

全ては閲覧者に受け入れられやすい環境を整えることであり、昨今はこういう良心的なサイトがこれまでにも増してより一層求められています。常に客観的に閲覧者の立場で内容に配慮すること。
その結果、人々に『読んでもらえる・見てもらえる』サイトになります。
「見えればいい」「読めればいい」・・・最終的はこの理屈もあながち間違ってはいません。しかし、一般閲覧者も目が肥えてきています。大雑把な手段選択は、時に閲覧者から敬遠されてしまうリスクがあります。これはPDFに限ったことではありませんが。